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チャットボットとは?仕組みから企業が導入するメリットまで解説!

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チャットボットとは

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チャットボットとは自動会話プログラムのことで、チャット(会話)とボット(ロボット)を組み合わせた言葉です。メッセージングアプリやSNS上などで、自動で発信や返答を行うプログラムを指します。パターンマッチ型や人工知能型などさまざまな種類があり、最近ではAIスピーカーと呼ばれる音声でのやり取りも可能なチャットボットも登場しています。

チャットボットは、コールセンター、サイト内のFAQ、施設のインフォメーション、社内ヘルプデスクなどさまざまなシーンで活躍します。

チャットボットの種類

チャットボットは以下のように、2つの種類に分けられます。それぞれの仕組みや特徴について解説します。

シナリオ型

シナリオ型チャットボットは、ルールベース型とも呼ばれます。事前に想定されるシナリオ(質問事項など)に基づいた選択肢を、ユーザー側のチャットボット画面に表示させます。ユーザーが選択した項目に対して、シナリオ通りにチャットボットは応答を返します。

シナリオ型チャットボットはプログラミングの知識が少なくても設定でき、また運用コストも比較的低いというメリットがあります。

ユーザー側はテキスト入力をする必要がないため、テキスト入力が苦手な人でも利用しやすいです。ただし、シナリオに設定していない回答や複雑な質問に対応できない点は、デメリットといえるでしょう。そのため、ユーザーがチャットボットから人間のオペレーターにスムーズに移行できるような体制を整えることが重要となります。

AI型

AI型チャットボットは、機械学習を搭載したチャットボットです。ユーザーによる表現の揺らぎにも柔軟に対応し、複雑な質問にも答えられます。事前に学習させたデータだけでなく、履歴から収集したデータをAIが学習することで、回答の精度を上げることも可能です。

AI型チャットボットのメリットは、ユーザーが利用するほど回答の幅が広がることです。有人対応のような受け答えが可能になるため、オペレーターが対応していた問い合わせもAI型チャットボットで解決できるようになります。

一方、導入後に一定の学習期間が必要であり、導入には時間やコストがかかるのはデメリットです。

チャットボットの会話の仕組み

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チャットボットの会話は、以下のような仕組みによって成立します。

ルールとシナリオの作成

チャットボットが効果的な会話をするためには、ルールとシナリオの作成が不可欠です。形式として「Aという質問にはBという答えで返す」というように、特定の質問に対する答えを用意します。多くのパターンを備えることで複雑な質問にも対応できるようになります。

AI型チャットボットは、会話ログを元に自学習を行い、新しいルールやシナリオを創出します。

運用を続けることでデータが蓄積され、回答の精度も向上していく仕組みです。ルールとシナリオを構築することで、ユーザーが理解しやすく、使いやすいチャットボットを提供することができるようになります。

キーワード分析

キーワード分析は、チャットボットにおいて重要な役割を果たします。チャットボットはユーザーの質問から重要なキーワードが何かを分析し、それに基づいて適切な回答をデータベースから見つけます。

シナリオ型のチャットボットはあらかじめ登録されたキーワードにのみ対応しますが、AI型のチャットボットであれば、表現の揺らぎにも対応できます。例えば、「お昼ご飯」「昼食」「ランチ」など、同じ意味の言葉を認識することができます。また、運用が続けば続くほど、キーワードの重要性をより正確に理解するようになります。

高精度な応答を行うチャットボットは、まるで人間と対話しているかのような流暢な応答が可能です。

キーワード分析を適切に活用することで、より使いやすく理解しやすいチャットボットの実現が可能になります。

データベースの拡充

チャットボットの回答精度を高めるためには、データベースの拡充が不可欠です。チャットボットは人間が作成したデータベースを基に会話を行いますが、データベースの内容が豊富であるほど、より多くの質問に回答できるようになります。

AI型のチャットボットでは、運用側が事前に「教師データ」と呼ばれるデータを用意するのが基本です。教師データを充実させることで、チャットボットの回答精度が向上します。

チャットボットは自己思考や会話構成の能力を持たないので、データベースの内容が鍵となります。データベースを充実させることで、より幅広い質問に対応できるチャットボットを提供することができます。

メッセージの作成

最後に、データベースの検索結果を基にメッセージを作成します。メッセージの作成方法は、「選択型」と「生成型」の2種類です。選択型は、複数の回答文から適切だと判断される返答を選択して表示する方法です。詳しい回答文を設定できるため、自然な会話が成り立ちます。一方、生成型は、登録されている単語を組み合わせて返答を作成します。登録されている単語の量によって、より詳細なメッセージが生成できます。

チャットボットのメリット

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チャットボットを利用することによって、以下のようなメリットが得られます。

(1)コスト削減

チャットボットにはさまざまなメリットがありますが、最も大きいメリットは人的コストの削減といえるでしょう。チャットボットに事前に想定される問い合わせ内容を組み込んでおくことで、問い合わせ対応を迅速に完了させることができます。もし、チャットボットが対応できない範囲の質問があった場合でも、その質問をカスタマーサポートの担当者が手がけることで問題なく対応することができます。

一般的なサービスで寄せられる質問の約70%は「よくある質問」です。よくある質問をチャットボットのシナリオに組み込むことで、ユーザー自身が解決策を見つけることを促せます。これにより、企業は問い合わせ対応の効率化とコスト削減を同時に実現することが可能となります。

(2)24時間365日対応

従来のカスタマーサービスでは、営業時間内にしか問い合わせに対応することができませんでしたが、チャットボットを導入することで、ユーザーはいつでも質問や疑問を解決するためにコンタクトできます。夜間や週末、祝日であっても、チャットボットは待たずに迅速に回答を提供し、ユーザーの不安や疑問を解消します。

また、国際的な規模や異なるタイムゾーンにおいても、チャットボットは迅速かつ効率的に対応することができます。グローバルな顧客層に対しても、24時間対応が可能なチャットボットは重要な役割を果たします。

(3)顧客満足度の向上

ユーザーはわざわざ資料請求や問い合わせをしなくても、企業からリアルタイムに回答を得られます。電話やメールによる問い合わせをするのが面倒というユーザーでも、チャットを通じて、話し言葉や短文で簡単に問い合わせができるため、問い合わせ数の増加が期待できます。

特に現代の10代から20代のユーザーは、メッセンジャーアプリなどのチャットが主要なコミュニケーションツールとなっています。彼らのようなチャットインターフェースに慣れ親しんでいるユーザーにとって、チャットボットを利用することは自然な行動といえるでしょう。

ユーザーは時間や場所に制約されず、簡単かつ迅速に知りたい情報や疑問の解決を図ることができるため、顧客満足度の向上に繋がります。

チャットボットのデメリット

チャットボットの利用には、多くのメリットがあります。しかし、以下のようなデメリットもあるので注意が必要です。

(1)サービス導入・運用コストがかかる

チャットボットの導入・運用には、コストや工数がかかります。これはシナリオ型であろうとAI型であろうと変わりません。どちらを選ぶにしても導入時だけではなく、導入後にチューニングを行わなければいけません。また、チャットボットの導入・運用には専任の担当者が必要なので、担当者の人件費も必要になります。

(2)導入するまでの作業が多い

チャットボットの種類やツールは多岐にわたるため、自社のニーズに合うものを選定する必要があります。そのためには、各ツールの機能や資料を詳細に読み込む時間と共有ナレッジの蓄積が必要であり、その選定作業自体にも時間がかかります。

チャットボットを導入するには、初期設定の登録や自社サイトに合わせたカスタマイズなどの作業が必要です。AI搭載型の場合はさらに、FAQデータの作成やシナリオ型の設計が求められます。十分な準備期間と人的リソースを必要とするため、導入までに多大な労力が必要となることもあります。

導入をスムーズに行い、有益な結果を得るためには、計画的な準備が重要です。導入開始予定日から逆算して、準備期間や人員の配置、予算などを慎重に考えましょう。

(3)全ての質問に正しく回答できるわけではない

チャットボットは、どのような質問にも自動で対応できると思われがちですが、全てに正しく対応できるわけではありません。複雑な質問や長い文章には対応できないこともあるため、場合によっては人間の担当者が必要になることもあります。

一般的には、基本的な質問にはチャットボットが対応し、複雑な質問は人間の担当者が対応するケースが多いです。チャットボットと人間の対応を上手に組み合わせるように工夫する必要があります。

また、チャットボットは同時に複数の質問に対応できません。ユーザーは、一度に一つの質問を選び、解決してから次の質問をする必要があります。解決したい問題が複数ある場合は、チャットボットではなく、オペレーターによる対応のほうが顧客満足度は高いかもしれません。

商品やサービスの性質によっては、「自分の状況を詳細に説明しながらアドバイスを求めたい」というような個別対応が求められるケースもありします。そのような場合、チャットボットによる対応が困難なケースもあるでしょう。チャットボットの限界を理解し、必要な場面で人間の対応を活用することが、より効果的なカスタマーサービスを実現する秘訣といえます。

チャットボットの導入手順

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チャットボットの仕組みやメリット・デメリットがわかったところで、実際に導入する手順をチェックしておきましょう。

(1)導入の目的と課題の洗い出し

チャットボットを導入する前に、まず企業が抱える課題を明確にする必要があります。自社の課題を洗い出し、何が不足しているのかを考えましょう。さらに、具体的な数値を用いて、チャットボット導入によるコスト削減や効果を算出することも重要です。

チャットボットツールは多くの種類があり、全てが同じ機能を搭載しているわけではありません。目的を明確にせずにチャットボットを導入してしまうと、望んだ成果を得ることができない場合があります。例えば、選定したツールに必要な機能がなかったり、顧客満足度がむしろ低下したりすることもあります。

(2)チャットボットのサービス選定

チャットボットのサービスを選ぶ際には、自社の課題を解決できるツールを選ぶことが重要です。例えば、コールセンターの問い合わせ対応を効率化したい場合は、シナリオ型のチャットボットが向いています。シナリオ型のチャットボットは、定型の質問に基づいて自動応答できるため、人件費の削減や業務効率化が期待できるでしょう。

一方で、「人的リソースを大幅に削減したい」という問題への対応策として、AI搭載型チャットボットが適しています。AI搭載型のチャットボットは、優れた対応ができる場面も多く、完全無人運用も可能です。

また、Webサイトの訪問者の離脱率や直帰率を下げたい場合にも、AI搭載型のチャットボットがおすすめです。チャットによるコミュニケーションから必要な情報にナビゲートし、ユーザーにメルマガ配信や資料請求、クーポンなどを自動表示させることで、リードの獲得に繋げることができます。

(3)無料トライアルなどの利用

チャットボットサービスを導入する際には、無料トライアルを利用するのがおすすめです。 無料トライアルでは、具体的なポイントを確認する必要があります。

まずは、管理のしやすさです。チャットボットの管理画面がわかりやすいかどうかチェックしましょう。また、FAQ の追加や更新が簡単にできるかどうかも確認してください。次に、AI の応答精度を問う必要があります。さまざまな言い回しで質問して、適切な回答が表示されるか確認しましょう。

最後に、サポート体制についてもしっかりと確認します。サービス提供者が丁寧かつスピード感を持って対応してくれるかどうかをチェックしましょう。トラブルや疑問が生じた際に、速やかにサポートを受けられるかは重要です。

このように、いくつかのポイントを無料トライアルで判断することで、導入後の自社の課題の解決や運用の可否を確認できます。

(4)FAQなどをもとにシナリオを作成

チャットボットを設計する際には、FAQの作成とシナリオの設計が重要な要素となります。

FAQとは、よくある質問とその回答をまとめたもので、チャットボットがユーザーからの問い合わせに対して適切に回答するために必要です。一方、シナリオは、質問から回答までの道筋を示すものです。これにより、選択肢を絞り込みながら最適な回答へと誘導します。

チャットボットツールには、シナリオ作成が不要なものもありますが、導入するツールによってはFAQとシナリオの両方が必要となる場合もあります。FAQは一般的な質問をカバーし、シナリオはより具体的なトピックに特化した回答を提供します。

FAQとシナリオの作成にあたっては、読み手の理解を助けるためにフローチャートのように階層に分けて選択肢を作成することも有効です。情報の整理や可視化をすることによって、ユーザーがより簡単に必要な情報にアクセスできるようになります。

(5)テスト運用

FAQの準備が整った後は、一定期間、ユーザーを限定してチャットボットを試用します。これは、どれだけ丁寧にFAQを準備しても、チャットボットがユーザーの全ての疑問に完璧に対応することは難しいからです。

テスト運用を通じてユーザーから寄せられる問い合わせ内容を分析することで、不足しているFAQや分かりにくい回答を発見することができます。

そのため、チャットボットの本格的な運用を開始する前に、ユーザーが必要とする情報を適切に提供できるように、FAQの内容を追加・修正しましょう。

テスト運用を通じて、ユーザーにとってより役立つ情報を提供できるように改善を行い、最終的にユーザーの理解を助けるチャットボットを作り上げることができます。

(6)本番稼働

テスト運用が終わったら、いよいよ本格稼働です。運用開始の際は、ユーザーに対してチャットボットの存在を周知するための活動を行いましょう。ユーザーにチャットボットを使ってもらうためには、使い方や利点が理解しやすくなるように、情報を提供することが重要です。

また、本格運用を開始した後は、利用状況を分析し続けることが必要です。利用者からのフィードバックや問い合わせ内容を集約し、FAQの追加や更新を行いましょう。更新し続けることで、利用者がよりスムーズに解決策を見つけることができるようになります。

チャットボットの活用事例

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最後に、実際にチャットボットを活用している企業の事例を3つご紹介します。

(1)UNIQLO

UNIQLOが開発した「UNIQLO IQ」という独自のチャットボットは、人気商品情報だけでなく、おすすめのコーディネート情報も提供しています。ユーザーの情報を活用して近くの店舗と連携し、在庫情報を提供することも可能です。

(2)@cosme

美容とコスメに関する情報を提供するWebサイト「@cosme」では、FAQページをうまく活用できずメールで問い合わせをするユーザーに対して、チャットボットを活用した課題解決を図りました。 しかし、チャットボットだけでは解決できない質問が多いことが分かり、有人対応と併用する形をとっています。簡単な質問のみチャットボットに自動回答させ、主に有人対応で自社のFAQページに誘導しています。その結果、1つの問い合わせに対する対応時間が大幅に削減されました。

(3)LINE

LINEのチャットボットは、法人用のカスタマーサポートとして幅広く活用されています。ローソン、ドミノピザ、ヤマト運輸など、さまざまな企業が導入しており、ユーザーは自分に都合の良いタイミングで情報を収集できます。公開されているAPIを利用すれば、個人でもチャットボットを制作することが可能です。

まとめ

近年、さまざまなチャットボットが開発され、多くの企業で活用されるようになりました。今回は、チャットボットの仕組みをはじめ、企業が導入するメリット・デメリットを解説しました。実際に導入する際の手順や注意点についても紹介したので、参考にしてください。

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